2026.10.23
金曜
AI需要でCloud向けHDDが急伸、売上55%増・粗利率57.8%へ大幅改善、調整後ベースの営業利益率は46.7%
- 売上高は43.81億ドル(前年同期28.18億ドル)で55%増。Cloudが38.68億ドル(全体の88%)で54%増、Clientは3.20億ドルで119%増、Consumerは1.93億ドルで19%増
- 粗利益は25.34億ドル、粗利益率は43.5%から57.8%へ14ポイント改善。営業利益は20.46億ドル(営業利益率46.7%)、純利益は17.79億ドル
- 希薄化後EPSは4.63ドル(前年同期3.07ドル)。ただし前年同期はSandisk持分の評価益6.11億ドルの一時益を含む
- 営業キャッシュフローは16.04億ドル(前年同期6.72億ドル)。在庫が2.69億ドル、売掛金が2.06億ドル増加(需要増に伴う生産ランプ)
- 自己株買い10.01億ドル、転換社債の決済5.70億ドル、配当0.56億ドルを実施。四半期末現金は13.14億ドル、総負債は7.89億ドル(うちリボルビング枠6.50億ドル)
- 四半期後の10月21日に四半期配当を0.15ドルから0.175ドルへ増額。自己株買い枠は残り22.59億ドル
会社ガイダンス
通期
設備投資は今後5年間で売上高の平均4〜6%を見込むが、ヘッド・メディア技術や工場自動化への投資により、今後2年間はこの範囲をやや上回る見込み。また2027年度の実効税率にはマレーシア・タイのグローバルミニマム課税を織り込む。
背景・要因
- Cloud: 出荷容量(exabytes)が20%超増、容量当たり平均販売価格が約25%上昇。AI普及によるデータ増加とクラウド拡張が高容量ドライブ需要を牽引
- Client: 出荷容量が約15%増、容量当たりASPが約90%上昇(高容量品へのミックスシフトと価格環境改善)
- Consumer: ASPが約70%上昇した一方、価格上昇に伴う需要軟化で出荷容量は約30%減少
- 粗利益率改善は価格環境の改善、出荷量増加、新世代製品の低コスト構造による
- 研究開発費は11百万ドル減(報酬関連コスト減)、販管費は24百万ドル増(報酬関連コスト増)、事業再編費用は43百万ドル(前年同期3百万ドル)
- 支払利息は59百万ドルから11百万ドルへ減少(負債削減による)
リスク・懸念
- 売上高のCloudエンド市場および上位顧客への集中。上位10顧客が売上の64%を占め、2社で14%・13%
- 米国の通商政策・関税の変更や相手国の対抗措置。現時点で業績への重要影響はないが、動向を注視し緩和策を検討中
- 高容量ドライブ需要の加速により製造が複雑化し、生産リードタイムが長期化
- 少数の認定サプライヤーへの依存、サプライチェーン混乱、製品欠陥リスク
- 2027年度から法人代替ミニマム税(CAMT、15%)の対象となり、株式報酬に係る税務控除超過によりCAMT負債が通常税負担を上回る見込み(繰越税額控除が発生)
- SPEX Technologiesとの特許訴訟が係属中
- 転換社債は2026年11月16日に償還予定で、ほぼ全額が償還前に転換されると見込む(潜在的な株式希薄化)