2026.08.05
水曜
製油クラックスプレッド急伸で決算は大幅好転。通期EPSは上方修正され自社株買いも拡大
- 第2四半期(2026年6月期)のPhillips 66帰属純利益は38.5億ドル(希薄化後EPS $9.55)で、前年同期の8.8億ドル(EPS $2.15)から約4.4倍に急増。地政学リスクと在庫低位により3:2:1複合クラックスプレッドが前年の$21.65/バレルから$41.63/バレルへ約2倍に拡大したのが主因。
- Refiningセグメントの税前利益は前年同期の$359Mから$3,062Mへ大幅増益。Worldwide実現精製マージンは$11.25/バレルから$24.08/バレルへ倍増した。
- Renewable Fuelsセグメントは前年の$133M赤字から$544Mの黒字へ$677M改善。規制クレジット価値の上昇が寄与。
- Chemicalsセグメント(CPChem 50%持分)はHDPEチェーンマージンが7.4セント/ポンドから43.6セント/ポンドへ急回復し、税前利益が$20Mから$404Mへ改善。
- 6ヶ月累計の営業キャッシュフローは$5.0B(前年$1.0B)。7月には$10Bの自社株買い増枠を承認し、累計承認額は$35Bに。総負債を2027年末までに$17Bへ削減する目標を表明。
会社ガイダンス
通期
2026年の設備投資・投融資予算は$2.4B(買収や持分法適用会社の資本支出を除く、成長資本$1.3Bを含む)。2027年末までに総負債を$17Bへ削減し負債資本比率を下げる目標。年間設備投資・投融資を約$2.5Bに維持する方針。営業キャッシュフロー(運転資本除く)の50%超を自社株買いと配当で株主還元する目標。
背景・要因
- 中東を中心とする地政学イベントで原油価格(WTIが$63.86→$93.21/バレル)と精製マージンが急騰。低季節在庫・製品補給減少でクラックスプレッドが大幅拡大
- NGL価格が$0.64→$0.73/ガロンへ上昇(中東供給減少による供給逼迫)、一方天然ガス(Henry Hub)は$3.16→$2.93/MMBtuへ下落
- WL第2四半期はドイツ・オーストリア小売事業部分売却に伴う$110Mの事後調整益を計上(Corp. & Other含む)
- WRBの残り50%を2025年10月に取得し連結化したことによる費用増・売上増(オペレーショナル費用に影響)
- 6ヶ月計のM&S減少は2025年1月のCoop売却益約$1Bを前年同期に計上していた反動が主因
リスク・懸念
- 中東問題をはじめとする地政学リスクの長期化で、コモディティ価格・マージンが大きく変動し将来業績に悪影響を及ぼす可能性
- Propel Fuels訴訟で最終判決$833M(陪審賠償$604.9M+懲罰的損害$195M+既判利息)。$928Mを引当済みだが控訴手続きの進行で損失額が変わり得る
- Dakota Access Pipeline(ダコタアクセスパイプライン)運営停止の可能性。CECUに基づく最大約$215Mの出資義務と運営停止時の業績・キャッシュフロー悪化リスク
- Renewable Fuel Standard(RFS)対応のためRINを市場購入する費用が増加(6ヶ月で$269M計上、前年は$0)
- 中東衝突に伴うコモディティ価格変動の高まりで、デリバティブVaRおよびマーケットリスクが上昇(価格10%変動で税前利益約±$350M)