2026.08.04
火曜
ストリーミング黒字化・加入者過去最高でQ2好調、通期Adjusted EBITDA見通しを上方修正
- Q2総収入は69億ドル(前年比+1%)。営業利益4.75億ドル(6.9%マージン)、Adjusted EBITDAは11億ドル(15.9%マージン)で前年比+27%と全セグメントで増益。GAAP純利益は前期比減の4,100万ドル(希薄化後EPS $0.04)で、前年の5,700万ドルから低下。
- Direct-to-Consumer収入は前年比+9%の25億ドル。Paramount+収入は+16%(加入者+6%、ARPU+12%)。Q2で約200万人純増し、世界加入者は8,160万人に到達。サービス史上最高のリテンション四半期。DTCのAdjusted EBITDAは+44%の3.66億ドル(14.8%マージン)。
- Studios収入は前年比+16%の13億ドル、Adjusted EBITDAは3,600万ドル(前年は-3,100万ドル)と黒字転換。TV Media収入は-9%の31億ドルだが、Adjusted EBITDAは11億ドル(34.0%マージン、前年26.4%)と収益性は大きく改善。放送シーズンの上位10番組中7本をCBSが占めた。
- 劇場公開作品を2025年の8本から2026年は15本へほぼ倍増。2026年通期では90超のシリーズ・800以上のエピソードを制作予定。UFCやFIFAワールドカップなどライブスポーツの強化が加入者獲得・定着につながった。
- 2026年通期Adjusted EBITDAガイダンスを従来の$3.8Bから$3.8B-$3.9B(マージン12.8%)へ上方修正。フリーキャッシュフロー転換率を最低10%と予想。WBDとの合併に向けた準備を継続。
会社ガイダンス
次四半期
Q3'26: 総収入69.5〜71.5億ドル(前年同期比+4%〜+7%)。Paramount+加入者は前四半期比で横ばい。Adjusted EBITDAは8.75〜9.75億ドル(中間点マージン13.1%)、当四半期の株式報酬は約7,000万ドル。StudiosとTV Mediaは前年比で収益性改善、DTCはコンテンツ償却の季節的タイミングにより中間〜高一桁台マージン。変換コストは約2億ドル。
通期
2026年通期: 総収入300億ドル(前年比+4%)。Adjusted EBITDAは従来の38億ドルから38〜39億ドル(中間点マージン12.8%)へ上方修正。フリーキャッシュフロー転換率は変換コスト約8億ドルを除き最低10%を見込む。設備・企業費用は約15億ドル。DTCはサブスク・広告収入ともに成長加速、通期で2025年比利益成長を見込む(国際ハードバンドル退会約400万を含め加入者数は2025年比で小幅増)。Studiosはライセンス収入加速で利益成長、劇場収入は前年比減少。TV Mediaはマージン改善とAdjusted EBITDA成長を見込む。
背景・要因
- Paramount+の成長要因: Dutton Ranch(Paramount+史上最大の初回シリーズ、初週1,290万視聴者)、UFC(UFC Freedom 250は米国・ラテンアメリカで1,700万視聴者と独占ライブイベント史上最大)、FIFAワールドカップのラテンアメリカ6カ国での非独占配信。
- Studiosの好調は、Paramount Television Studiosの第三人向け納入の好調とSkydanceライセンス収入の連結、前年のMission: Impossible - The Final Reckoningとの比較による劇場収入の低下を一部相殺。
- TV Mediaの収益性改善は規律ある費用管理による。広告収入は-14%(前年NCAA Final Fourの反動約8Pt、Telefe/Chilevision売却で約3Ptの逆風、政治広告で約2Ptの追い風)。Affiliate収入は-6%。
- DTC収益性は、Skydance取引による会計基準変更メリットを含む収入成長と費用効率化が番組投資計画を上回った。
- 広告はUpfront前受金が二桁%成長し、CBS-Viacom合併以来最も強い水準に。
- Q2には約153百万ドルの取引関連費用、約5,400万ドルの投資先持分法投資損失などが発生。
- WBD合併のためQ1にリボルビング信用枠から21.5億ドルを借入(Netflixへ支払う解約金28億ドル用)。Q2に3.5億ドル返済し残高18億ドル。
リスク・懸念
- TV Mediaは引き続きリニアTVの構造的減少とストリーミングへのシフトによる圧力を受け、Affiliateはpay TV加入者減少による逆風継続。
- Q3のDTCマージンはコンテンツ償却の季節的要因で中間~高一桁台に低下(通期ではストリーミング利益は成長見込み)。
- 変換コストはQ3で約2億ドル、通期で約8億ドルを見込み、報告上のフリーキャッシュフローに影響。
- WBD合併は競争当局の審査・承認を必要とし、未承認のままの場合は事業・財政状態・株価に悪影響のリスク。現在進行中の反トラスト訴訟も存在。
- 2026年の劇場収入は、公開本数増加に伴い1本あたり平均興収が低下するため前年比で減少見込み。
- 好戦的な競争環境、消費者行動の変化、視聴者測定の欠陥による広告収入悪化リスク。