2026.10.22
木曜
金・銀価格の急騰で営業益・EPSが大幅増益、Cadia停止響き金生産は減少も株主還元を大幅拡大
- Q3売上は$6,363百万(前年同期$5,524百万、前年同期比+15%)。金売上$5,228百万(同+12%)、銀売上$550百万(同+88%)が牽引
- 希薄化後EPS $2.35(前年同期$1.67)、Adjusted EPS $2.20(同$1.71)。Newmont帰属純利益$2,475百万(同+$643百万)
- Adjusted EBITDA $3,951百万(前年同期比+19%)。9ヵ月累計営業キャッシュフロー$9,477百万(+41%)、フリーキャッシュフロー$7,261百万(前年同期$4,486百万)
- 金の平均実現価格は1オンス$4,317(前年同期$3,539)と22%上昇。ただし販売量は1,211千オンス(前年同期1,319千オンス)に減少し、金CASは1オンス$1,449(同$1,185、+22%)に上昇
- 9ヵ月累計で自己株を$5,241百万買い戻し(10月に追加$451百万を決済)。現金$8,827百万、流動性$12,827百万を確保し、四半期配当は1株$0.26を宣言
背景・要因
- 金・銀の平均実現価格の上昇(金$4,317/oz、銀$50.50/oz)が売上と利益を押し上げ
- 2026年4月の地震に伴うCadiaの一時操業停止が続き、Cadiaの金生産は前年同期比37%減、銅生産も減少
- Cadia停止の影響やアハフォ・サウス、Peñasquitoの低品位により、連結金生産は1,302千オンス(前年同期1,421千オンス)に減少
- Ghanaの投資協定失効(法人税率32.5%→35%、ロイヤルティ枠組み変更)や金価格上昇に連動したロイヤルティ増でコスト上昇
- アハフォ・ノースが2025年Q4に商業生産を開始し新セグメント化されたことで、前年同期との比較可能性が低下
- GEO算出に用いる金属価格を2026年から引き上げたため、他の金属のGEO換算量が減少し、金へのコスト配賦が増加
リスク・懸念
- 金・銅・銀・鉛・亜鉛価格の変動。商品価格の大幅下落はPP&E、棚卸資産、のれん等の減損リスクにつながる
- Cadia等での地質・地熱・水文地質的課題(地震活動による操業停止リスク)
- インフレ、関税・サプライチェーン混乱、地政学的緊張(イラン・ウクライナ・ベネズエラ等の軍事活動)によるコスト上昇
- ガーナのロイヤルティ・税制変更により、金価格が高い局面ほど操業コストが増加する可能性
- 環境関連: Yanacochaの水処理・閉山費用やMidnite Mineの浄化費用が将来増加する可能性
- Cadiaを巡る豪州での集団訴訟(2026年2月提起)、およびKaras訴訟関連の株主代表訴訟・株主代位訴訟
- 豪州税務当局(ATO)による2011年組織再編に関する約A$85百万のキャピタルゲイン課税主張(現在上訴中)