2026.09.03
木曜
売上4%減・利益減が続く中、IEEPA関税還付金($134.5M)が粗利率を押し上げる。米州の既存店売上が12%減と落ち込みが深刻で、社長交代・株主提案訴訟などガバナンス混乱も重荷。本書類に業績ガイダンスの言及はなし。
- 第2四半期(2026年8月2日終了)の純売上は24.2億ドルで前年同期比4%減(定率ベース5%減)。純利益は3.29億ドルで11.2%減、希薄化後EPSは$3.10→$2.92に減少。
- 既存店売上は全体で9%減(定率ベース10%減)。米州は12%減、中国本土は2%減(定率8%減)、その他地域(ROW)は4%減。来店数減少・転換率低下・平均注文額低下が主因。
- 粗利益率は200bp改善し60.5%。これはIEEPA関税還付金$134.5M(560bpの押し上げ)によるもので、それを除く基礎需要は軟調。営業利益率は190bp悪化の18.8%。
- セグメント別では米州売上8%減・営業利益4%減、中国本土売上は4%増と明るいが営業利益ほぼ横ばい(0.8%減)、ROW売上5%増も営業利益7.7%減。新規・拡張店がけん引する構造。
- 第2四半期中に自社株買い(追加で約$118.8M)を実施。2026年上期の人件費・本社費用増(プロキシーコンテスト関連$24.8Mを含む)がSG&A全体を9.1%増加させ利益を圧迫。
背景・要因
- 売上減は米州(8%減)の既存店低迷が主因。全社で来店数減少、転換率低下、平均注文額低下、ブランド考慮度の変化、マクロ経済の不確実性が影響。
- 粗利用に寄与したIEEPA関税還付金$134.5M+利息$4.1Mを受け取ったが、さらに高い新関税(代替法権限下)や他段階の還付の不確実性が残る。
- SG&A増($54.7M)は本社費用増が主因。プロキシーコンテスト関連$13.4M(四半期)、人員・ブランド/コミュニティ・テクノロジー・減価償却費増が上振れ。
- 為替変動は2026年上期の売上を前年比$69.6M押し上げたが、海外子会社の換算により包括損失が拡大(その他の包括損失40.9M相当の悪化)。
- CEO交代(1月末で旧CEO退任→暫定co-CEOがCODM機能を担い、9/8付けで新CEO着任予定)やプロキシーコンテスト・株主派生訴訟が管理負担と費用を増大。
リスク・懸念
- 米国の高関税継続とその不確実性。de minimis免税撤廃の維持や新たな関税賦課、法的無効化リスクが製品コストとマージンを圧迫。さらなるIEEPA還付額は不確定で資産未認識。
- 関税関連の価格付け・政府還付をめぐる消費者集合訴訟(米国で2件、3/27と6/30提訴)など訴訟リスク。加えて証券クラスアクションと株主派生訴訟(Derivative Actions)は継続・一部stay中。
- 米州での需要減退(トラフィック・転換率・平均注文額の低下)と、卓越した競合激化や消費者の嗜好変化への不適合による売上・マージン・過剰在庫の可能性。
- CEO交代を含む幹部交代の不確実性が従業員・取引先・外部ステークホルダーとの関係や戦略執行に悪影響を与えるリスク。
- 供給網集中依存(2025年に製品の約40%がベトナム産、素材の約34%が台湾由来)。関税・地政学・気候やサプライヤー集中が調達/在庫/コストを不安定化。