2026.10.22
木曜
ミサイル・火器管制が24%増収を主導し、増収増益とEPS 23%増。前期の巨額特損が消え利益は大きく改善
- 第3四半期の売上高は207億1,100万ドル(前年同期186億900万ドル、+11%)。製品売上が14%増の174億2,900万ドル、サービスはほぼ横ばいの32億8,200万ドル。
- 希薄化後EPSは7.97ドル(前年同期6.95ドル、+15%)、純利益は18億4,500万ドル(同16億1,900万ドル)。9カ月累計のEPSは22.36ドル(前年同期15.69ドル)と大幅増。
- セグメント別売上はAeronautics 82億1,400万ドル(+13%)、MFC 45億100万ドル(+24%)、RMS 45億1,100万ドル(+3%)、Space 34億8,500万ドル(+4%)。MFCはPAC-3・THAAD・GMLRS・PrSMの生産ランプが寄与。
- セグメント営業利益は22億2,900万ドル(前年同期20億2,900万ドル)。利益率変動要因の純調整は+3億7,500万ドル(前年同期+3億6,500万ドル)。F-16で1億7,000万ドル、C-130で1億7,500万ドル、Heavy Liftで1億2,500万ドル、Seahawkで9,500万ドルの不利な利益調整を9カ月間に計上。
- 9カ月累計の営業キャッシュフローは68億9,300万ドル(前年同期53億3,800万ドル)、フリーキャッシュフローは56億2,500万ドル(同41億5,200万ドル)。受注残(バックログ)は2,920億ドル(うち国際案件616億ドル)。
背景・要因
- MFCの防空・ミサイル防衛プログラム(PAC-3、THAAD)と戦術打撃ミサイル(GMLRS、PrSM)の生産ランプによる数量増
- AeronauticsのF-35生産・サステイン数量増と、C-130で2026年Q3に契約獲得を見込んで先行計上した契約前費用の取り崩し(約2億7,000万ドル)
- SpaceのFBMおよびNGIの数量増(OPIRのプログラムライフサイクルによる減収を一部相殺)
- 前年同期に計上したAeronautics機密プログラム9億5,000万ドル、CMHP 5億7,000万ドル等のリーチフォワード損失が今年はなく、前年比の利益比較が大幅に改善
- 税務上の外国由来控除所得(FDDEI)控除増とTax Act(One Big Beautiful Bill Act)・Notice 2026-7によりCAMT非適用となり、実効税率が15.1%(前年同期16.5%)に低下、税支払いも減少
- 2025年下期の自社株買いにより加重平均株式数が約130万株(9カ月で290万株)減少しEPSを押し上げ
リスク・懸念
- F-35のLot 20以降の生産契約について米政府と交渉中。2026年Q3にLot 20先行取得契約で費用が契約上の認可・資金枠を超過し始めており、追加の契約認可と資金供給がなければ今後の業績・キャッシュフロー・財務状態に悪影響
- 固定価格開発プログラム(Aeronautics、MFC、RMS)で追加損失リスクが残存。Aeronauticsの機密プログラムは累計損失約18億ドル、MFCの機密プログラムは累計約15億ドル(未行使オプションは損失前提)
- サプライチェーン混乱、高インフレ、関税、レアアースの供給懸念。関税は9カ月間で約2億2,500万ドルの還付を受けたが、固定価格契約では将来の利益・マージン・キャッシュフローに悪影響し得る
- FY2027予算は成立しておらず、2026年12月11日までのつなぎ予算(CR)で運営。予算の不確実性・政府機関閉鎖・調達方針の変更リスク
- AeronauticsおよびMFCの機密プログラムとF-35を巡る証券クラスアクション(2024年1月23日〜2025年7月21日が対象期間)と株主代表訴訟が係属中