2026.10.21
水曜
増収22%・手術件数14%増でトップラインは好調だが、独禁法集団訴訟の和解金4.5億ドル計上で営業利益は22%減
- 売上高は前年同期比22%増の30億4,870万ドル(製品25億6,640万ドル、サービス4億8,220万ドル)
- da Vinci手術件数は約90万6,000件で14%増、Ion手術件数は約4万9,700件で31%増
- GAAP希薄化後EPSは1.49ドル(前年同期1.95ドル)と24%減。純利益は5億2,280万ドル(同7億440万ドル)
- 売上総利益率は68.4%へ改善(前年同期66.4%)。IEEPA関税の還付2,780万ドルが寄与
- 営業利益は22%減の5億9,260万ドル。独禁法集団訴訟の和解金4億5,000万ドルを営業費用に計上
- 第3四半期にda Vinci 546台を設置(28%増、うちda Vinci 5は315台)。設置台数は12,094台で12%増
- 自己株買いを7.8百万株・29億4,000万ドル実施。現金及び投資残高は68億ドル(前年末90億3,000万ドル)
会社ガイダンス
次四半期
2026年第4四半期から中国でNHSA統一価格フレームワークに対応したインスツルメントの値下げを実施予定。
通期
2027年上半期から一部EndoWristインスツルメントの使用回数延長とボリュームベース価格を導入し、中国値下げと合わせて完全実施後は1手術あたりのda Vinci消耗品売上を約3〜5%引き下げる見込み(手術・製品・地域構成の変化を除く)。通期の売上・EPS・粗利率についての数値ガイダンスは開示なし。
背景・要因
- 手術件数の伸び(da Vinci +14%、Ion +31%)と、da Vinci 5/SP用インスツルメントの構成比上昇による1手術あたり消耗品売上の増加
- システム設置台数の増加、オペレーティングリース収入の増加、リース買取(Lease Buyout)収入の増加(4,500万ドル vs 前年2,200万ドル)
- IEEPA関税の還付(3か月で2,780万ドル)と固定費レバレッジによる粗利率改善
- 営業費用増:人件費(人員増・株式報酬)、開発案件の直接費用増、そして4.5億ドルの訴訟和解金
- 実効税率が21.5%へ上昇(前年17.1%)。従業員株式報酬に係る超過税務便益が1,260万ドル(前年2,420万ドル)に減少
- 買収(ab medica等の中南欧ディストリビューター事業、約5億3,310万ドル)による無形資産償却増(3か月で930万ドル)
リスク・懸念
- 中国:NHSA統一価格フレームワークの展開に伴い2026年第4四半期から中国向けインスツルメントの値下げを実施予定。国産競合の台頭と政府の業界ガバナンスキャンペーンで、中国のシステム設置が想定を下回った
- 2027年上半期から、一部EndoWristの使用回数延長とボリュームベース価格を導入予定。中国値下げと合わせ、完全実施後は1手術あたり消耗品売上が約3〜5%減少する見込み
- 関税・通商:米国のIEEPA関税は最高裁で違法判断、第301条関税や追加賦課が継続。中国からのレアアース・磁石等の輸出規制が供給網に影響する可能性
- 米国:肥満手術が2桁台の減少、ACA保険料補助金の失効が手術件数をわずかに押し下げ。病院の財務圧迫・人手不足もリスク
- 独禁法集団訴訟の和解(4.5億ドル)は裁判所の予備的・最終承認が必要。SIS事件は第9巡回区が地裁判断を破棄し差し戻し、Restore事件も係争中
- 第三者による再製造インスツルメントや非正規サービスが売上・安全性・評判に悪影響を及ぼす可能性