2026.05.08
金曜
グラスバーグ鉱山の操業停止影響が響くも、高銅価・金価格と保険和解金で増益。通期ガイダンスは下方修正
- 売上高は62.3億ドル(前年比+9%)。純利益(普通株主帰属)は8.81億ドル(同+150%)、希薄化後EPSは0.61ドル(同+154%)。
- 平均実現銅価格は5.78ドル/ポンド(前年4.44ドルから+30%)。実現金価格は4,889ドル/オンス(同+59%)。
- インドネシア・グラスバーグBlock Cave鉱山でのマッドラッシュ事故(2025年9月)の影響で、銅販売量は6.57億ポンド(前年8.72億ポンドから-25%)。金販売量も12.1万オンス(同-5%)。
- 操業休止関連のアイドル費用・復旧費用を含む計4.99億ドルの費用が発生したが、保険和解金6.99億ドルを計上しネットでプラス寄与。
- 営業キャッシュフローは14.95億ドル(前年10.58億ドルから+41%)。設備投資は9.73億ドル(前年11.72億ドルから-17%)。
会社ガイダンス
次四半期
第2四半期(2026年4-6月)の販売量見通し:銅約6.9億ポンド、金14万オンス、モリブデン2,200万ポンド。単位純現金原価(副産物控除後・アイドル費用除く)は銅1ポンドあたり2.24ドル。アイドル・復旧費用は約3億ドルを見込む。
通期
2026年通期:銅販売量30.78億ポンド(従来予想34億ポンドから▲約9%)、金販売量65万オンス(同80万オンスから下方修正)。これはグラスバーグBlock Caveの本格復旧遅延を反映。単位純現金原価(副産物控除後、アイドル費用除く)は銅1ポンドあたり1.95ドル。営業キャッシュフロー約87億ドル(銅6.00ドル/ポンド、金4,500ドル/オンス前提)。設備投資総額43億ドル(うち主要プロジェクト30億ドル、持続的投資13億ドル)。実効税率約30%(CAMT約1億ドル含む)。アイドル・復旧費用は通年で13億ドル(第2四半期3億ドル含む)を見込む。非支配持分帰属利益は約20億ドル。減価償却費は約23億ドル(うちアイドル費用約3億ドル)。
背景・要因
- 銅価・金価格の上昇(銅30%高、金59%高)が増収・増益の最大要因
- PTFIマッドラッシュ事故に関する保険和解金6.99億ドルを特別利益として計上
- インドネシア操業の低下(銅生産95百万ポンド、前年同期296百万ポンドから-68%)が数量減の主因
- 米国銅鉱山は順調:販売量3.27億ポンド(前年3.07億ポンドから+7%)
- モリブデン価格上昇(平均25.21ドル/ポンド、前年21.67ドルから+16%)も寄与
リスク・懸念
- グラスバーグBlock Cave鉱山の本格復旧遅延:湿潤状態の採掘面増加によりチュートシステム改造が必要となり、フル生産達成は2027年末にずれ込む可能性
- 中東紛争(2026年2月以降)に伴うエネルギーコスト(ディーゼル・重油・硫酸)の高騰が採掘コストを押し上げ
- 米国による銅製品輸入関税(Section 232、50%関税)の影響。精製銅への15-30%関税導入リスクあり(2027年以降)
- インドネシア税務当局からの2022年度追徴課税処分(2026年4月受領)に関する係争リスク
- PT Smeltingの潜在的なFCPA(海外腐敗行為防止法)違反調査。SECは追及しない方針を示したが調査継続中