2026.10.27
火曜
銅価格高騰とGrasberg復旧進展で利益は前年同期比74%増、通期は銅30億ポンド・金64.9万オンスの販売を見込む
- 2026年Q3売上高は$75.5億(前年同期$69.7億)、営業利益$23.5億(同$19.7億)、希薄化後EPS $0.81(同$0.46)、調整後EPS $0.88(同$0.50相当)。純利益は$11.7億(前年同期$6.7億)
- Q3生産は銅8.32億ポンド・金23.4万オンス・モリブデン2,200万ポンド。販売は銅7.49億ポンド・金10.5万オンス・モリブデン2,200万ポンドで、金はインドネシアの精製金販売時期ずれにより従来見通し16万オンスを下回る
- 実現価格は銅$6.54/lb(前年同期$4.68)、金$4,273/oz(同$3,539)、モリブデン$32.46/lb(同$24.07)。銅の平均ユニットネットキャッシュコストは$2.07/lb(前年同$1.40、7月見通し$2.00を4%上回る)
- 営業キャッシュフロー$20億(うち運転資本等$4億の流出)、資本支出$11.6億。9月末の総負債$94億・現金$43億でネット負債は下流処理設備向け$32億を除き$18億
- Q3に自社株14億ドル相当?ではなく140万株を$1.02億で取得(平均$70.75)。9ヶ月累計では490万株・$3.05億(平均$62.69)。1〜9月の株主還元は$9.55億
会社ガイダンス
次四半期
2026年Q4: 銅販売8.75億ポンド、金30万オンス、モリブデン2,200万ポンドを見込む。Q4の銅ユニットネットキャッシュコストは$1.68/lb。前提価格は銅$6.50/lb、金$4,000/oz、モリブデン$32.00/lb。
通期
2026年通期: 販売量は銅約30億ポンド、金64.9万オンス、モリブデン9,300万ポンド。銅ユニットネットキャッシュコストは平均$1.90/lb(米国$3.08/lb、南米$2.59/lb、PTFIはネットクレジット$1.25/lb、モリブデン鉱山$18.66/lb)。営業キャッシュフロー約$85億(運転資本等$6億の流出を除く)。資本支出約$44億(うち主要鉱山プロジェクト$30億)。実効税率約30%(ペルー40%、インドネシア36%、米国10%)。非支配株主持分帰属利益は約$23億(税引前利益の約24%)。生産は販売を上回り、銅約1億ポンド・金約7万オンスがPTFI精錬所の在庫として先送り。
背景・要因
- 銅・モリブデンの実現価格上昇がマージン拡大と利益の大幅増に寄与
- Grasberg Block Cave坑道のランプアップに伴うPTFIの低稼働率が銅・金の販売量減少の主因。Q3のミル処理量は日量14.1万トン(能力の67%)
- 金販売の減少は、精製金販売のQ3からQ4への先送り(約6万オンス)とインドネシアでの販売時期によるもの
- ユニットコスト上昇は金販売先送りによるバイプロダクトクレジット減少と、エネルギー・消耗品費の上昇による
- 米国銅鉱山は異常気象の頻発で稼働率・生産性が低下(稼働率は前年比10%増だが計画比3〜5%低い)
- 2025年9月の外部泥流インシデント関連のアイドル施設・復旧費用はQ3に$2.44億、9ヶ月で$9.34億(ユニットコストから除外)
リスク・懸念
- インドネシアの精製金輸出に関する行政手続きが不明確。現行規則は10%の輸出関税を規定するが、PTFIのIUPK条件(精製金輸出に関税不要)と矛盾しており、政府の明確化を求めている
- Grasberg Block CaveのランプアップとPTFI精錬所の操業正常化の遅れリスク。能力80%到達は2027年半ば、フル稼働は2027年末を見込む
- インドネシアでの異常乾燥が続けばミル処理レートに影響する可能性
- 中東紛争に伴うエネルギー・消耗品コストの変動
- IUPK延長(2041年以降)はインドネシア政府による改正IUPK発行が条件
- ペルー・インドネシアの政治・社会リスク、人身・操業リスク(地下採掘特有のリスク)