2026.08.04
火曜
売上は15%成長と好調も、加州税法変更による1.9億ドルのValuation Allowance計上で実効税率が急上昇しEPSは減益。通期ガイダンス開示なし
- 第2四半期(6月期)の売上は$1,741.0Mで前年同期比13.6%増。特にTMTT(経カテーテル僧帽弁/三尖弁)が47.7%増、TAVR 11.3%増、Surgical 6.5%増と全事業が伸長
- 希薄化後EPS(継続事業)は$0.42で前年同期$0.57から減益。売上は伸びたが実効税率が16.1%→53.6%へ急上昇したため
- 実効税率急騰の主因は、6月29日成立の加州予算法改正によりR&D税額控除の繰越利用が制限され、$188.2MのValuation Allowanceを計上したため
- 上期(6ヶ月)売上は$3,389.6Mで前年同期比15.1%増、セグメント営業利益は$2,063.7Mと大幅増収。買収(Autus)とVIE連結化(May 2026)でGoodwill残高が増加
- 株主還元も活発で、上期に6.9百万株・$558.7Mを自社株買い($500MのASR含む)。約$1.5Bの買い付け枠を残す
会社ガイダンス
通期
本10-Q内に具体的な通期売上・EPS等の数値ガイダンスの開示なし。ただし、2026年のPillar Two(グローバル最低税率)による追加税費用を約$50.0Mと見込むという会社見解を明記
背景・要因
- 売上成長はSAPIEN 3 Ultra RESILIAを中心としたTAVRプラットフォームと、PASCAL・EVOQUE・SAPIEN M3等のTMTT製品の米国・欧州での伸長が牽引
- 海外売上はユーロ高(対ドル)が追い風。上期TAVRで$40.4Mの為替プラス効果
- 2026年にAutus(肺動脈弁)買収($128.9M)と重症心不全向けVIE連結化を実施し、IPR&D等の無形資産とGoodwillを計上。売上・費用の一部を寄与
- 実効税率の上昇は加州税法改正によるValuation Allowance($188.2M)、低税率海外所得の利益減少、Pillar Two追加税の影響
- Pillar Two(グローバル最低税率15%)により2026年に約$50Mの追加税費用を見込む
リスク・懸念
- 米国の関税政策変更(輸入関税引き上げや外国の報復関税)が供給網や顧客需要に悪影響を与える可能性。影響を予測できず軽減策も確実でない
- IRS移転価格争訟: 2018〜2020年度にFinal NOPAs(米国課税所得の増額を提案)を受け、40%の移転価格ペナルティ課徵の可能性。2015〜2017年度も$269.3Mの追徴争訟が継続
- バランスシート上、不確実な税務ポジション約$814.0Mを計上。IRS・各国税務当局の監査で不利な結果が出れば業績に重大な影響
- 特許訴訟(Aortic Innovations、Cardiovalve/パスカル、Valtechマイルストン)や証券集団訴訟・株主代表訴訟が係争中
- Pillar Twoによる追加税負担と加州税制変更の影響で今後の実効税率が高止まる可能性